放鳥初日〜いざ空へ!

朝6時、いつも通りお世話。カルビタバードのボトルをつんつんしてる。準備してる間に勝手にトマトを食ってた。水浴びをさせてから放鳥(リリース)することにした。

朝7時半、放鳥!

日光浴がてらケージごとチュン太を外に出した。ケージの入り口は開けたまま固定した。あとはチュン太のペースに任せるのみ。

陽気にピョンピョン跳ねながらケージから出てきた。そしてすぐに撮影している私のスマホに向かって飛び乗ってきた。おーいw

しばらくスマホとじゃれてたけど、背後を飛んで来た虫に釣られて私の手を離れたチュン太。ピーピー鳴きながら大きくジャンプして、お隣の家の屋根まで飛んで、畑を旋回して、柿の木の中に飛び込みながら、チュン太は飛んでいった。

あっけなく放鳥終了。寂しさも覚えつつも、ようやく肩の荷が降りた気分だった。怪我の影響もなくちゃんと飛翔できた! 手探りだったけど、目標は達成できたのだ…!!!

私の心の中で一区切りがついたので、ここで記録アプリの更新を停止した。それから、和室のペットカメラを撤去した。チュン太バイバイ、元気でね。

──────が。

1時間後に舞い戻った

リビングで夫と反省会を開いていたら、近くの柿の木からチュン太の声。呼んだら和室に飛び込んできた。

夫と爆笑。なんとなくそんな予感がしてたから。あ〜あ、やっぱり帰ってきてしまった…。

「ついにあらゆるものを見聞し頭の中に天下を収めてしかもそれらをすっかり忘れて戻ってまいりましたあーッ!」

チュン太を見てたら、旅から戻った荀彧が曹操に向かって叫ぶシーンを思い出した。細すぎて伝わらない人は『蒼天航路』を読んで欲しい。

そしてこの時の私の表情と言えば、ボナールに泣きながら託したはずのジルベールがボロアパートに舞い戻って来た時のセルジュのそれと完全に一致していた。細すぎて伝わらない人は『風と木の詩』を読んd

暑いからか、天井知らずに広がる外の世界に大興奮なのか、開口気味。美味しそうにトマトを食べた。

わかったわかった、もう腹を括ろう、君がちゃんと野生に戻れるまで、お手伝いしますよ。まずはちょっとずつ外に慣れてこ…(記録アプリ更新再開)

初日は15時で放鳥終了

さすがのチュン太も色々な意味でビックリしたのか、出戻りしてからは外に出たがらず、ずっと和室で寛いでいた。キウイをめちゃくちゃ食べていた。

和室は全開放したままなのに、飛んで行くどころか人間に甘えてベタベタとじゃれてくる。たまにヒョイっと外の柵まで出て、また和室に舞い戻る。

放鳥チャレンジ初日は15時で終了。結局、いつも通り和室で寝かせることにした。しっかり飛べることが確認できたから、良しとしよう。明日も朝からチャレンジだ!

可愛がってる鳥が悠々と空を舞うのを眺め、呼べばそばに戻ってくる。まるで鷹匠になった気分だった。フリーフライトは憧れだけど、はるちゃんでは絶対にできないから貴重な体験だった。チュン太の帰巣本能すごい。私たちの顔、声、それから家の位置などが全部チュン太の中にインプットされている。

家の中しか知らない・興味が無いはるちゃんは、外に飛び出したらパニックになって間違いなく家に帰れなくなるだろうな…としみじみ思い、ロストが心底恐ろしくなった。

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