放鳥30日目〜和室卒業、それから。

5:30 うっかり寝坊、少し遅れて和室開放。裏庭に行って呼ぶと鳴きながら飛び込んできた。尾羽はしっとりしているが元気そう。

7:30 チュン太が出かけてるうちにケージを撤去、代わりの餌台を設置した。簡易的な雨除けもつけた。和室開放もいよいよ今日の17時までとなる。

森を見ると4〜5羽のヒヨドリがじゃれあっているのが見えた。たまに喧嘩している声も。チュン太かどうかはわからない。

8:00 チュン太が度々尻からひり出すイヌマキの在り処を探しに、夫と近所を散歩した。畑の周りは住宅街で、庭木があるお宅も多い。イヌマキ自体はチラホラと見かけたが、どれも実をつけない雄の木…。

ほどなくして発見した。家から100m以上は離れた場所。良く使う交差点近くのお宅の庭に、実をつけたイヌマキの木があった。ここから実を持ってきている確証はないし、チュン太の行動範囲がどこまでなのかは正直わからないが…。

その後、森の近くを通ったとき、手前の桜の木でじゃれ合う若いヒヨドリが4羽いた。さっき遠目で見た子達だ。眺めているとチュン太の声もする。立ち止まって観察していたら、その中の1羽が私達めがけて飛んできて、頭上を通り過ぎて、我が家の方向に飛んで行った。

チュン太かーい?と声をかけてみると返事をしながら、我が家と森を往復した。よく見ると尾羽が欠けている。やっぱりチュン太だ。新しく設置した餌台まで飛んだのを確認したので、急いで帰宅。不用心に開けっぱなしにしていた和室でチュン太が待機していた。餌台のミルワームを食べて、またイヌマキの緑の実を尻からひり出して、裏の柿の木へ飛んで行ってしまった。イヌマキ好きすぎんかwww

和室開放の最終日に、チュン太がヒヨドリ達の仲間入りしていたのを確認できたのはとても嬉しかった。本当に良かった。仲良しなのかはわからない、けれど、鳥としての社会性は身につけたのだと思った。

15:20 ベランダに出るとチュン太がやって来た。10分程ベランダで戯れる。肩に乗ったり羽繕いをしたり、いつも陽気で可愛いらしい私達のヒヨドリ。ボロボロの尾羽の根元に、新しく生え始めた筆毛が並んでいるのが見えた。大人になっても、庭先やベランダで会えるといいなと願った。

17:00 和室でミルワームを食べてしばらく羽繕いしていたチュン太。最終日に限ってお泊まりする気なのか…?と思いきや、いつも通り水浴びをして、裏の柿の木へ飛んだ。それから和室を閉めた。

***

あとがき

はぐれヒヨドリ純情派・チュン太の物語、一緒に過ごした61日間の記録はここでいったん一区切り。これからは「野鳥のチュン太」を観測することが日課となった。

リリースをした9月7日、換羽を迎えて大人の姿になる頃には、チュン太はどこか遠くへ行ってしまうのだろうな…と思っていたが、立冬を迎えた11月上旬も、毎朝毎夕、庭先に遊びに来ている。見た目はすっかり大人のヒヨドリになったけど、相変わらず陽キャで馴れ馴れしい性格。時々、半殺しにしたカメムシやハエをプレゼントしてくれる。最近はヒヨドリの相方(彼氏?彼女?)が出来たらしく、一緒にいるのをよく見かけるようになった。

これから寒い冬を乗り越えて、暖かい春を迎え、チュン太が生まれた暑い夏の繁殖期まで季節が一巡するまで、観測できる範囲で見守って行こうと思うのだった。

2024年11月8日・記