実はこの夏は、夫がうっかり保護したヒヨドリの雛のお世話に明け暮れていました。ひとり餌になるまで1ヶ月要し、紆余曲折ありつつも、無事に野生に放鳥(リリース)したけど舞い戻ってきてしまい、そこからさらに1ヶ月ほどは半野良状態に。
ようやく手離れし落ち着きを取り戻したので、尊さでいっぱいの61日間を振り返りたいと思います。手離れしたと言っても、毎日のように朝と夕方、庭先に現れるのですが…。
はじめに
野鳥の飼育は法律で禁じられてます。今回は3つの機関にご助言頂きながら一時保護をして、タイミングを見計らった上で野生に返しました。
この記事はあくまでも個人的な備忘録、思い出として公開しますが、決して野鳥保護を推奨するものではありません。正直言って大変です_(:3」z)_
でもヒヨドリを通じて大切なことを沢山学びました。鳥さん好きな人に共有したくて、記事をまとめることにしました。
一緒に過ごした期間
- 2024/8/7 〜 室内での保護期間 31日
- 2024/9/7 〜 リリース後の半野良生活30日
- 2024/10/7 〜 野鳥として現在も観察中
※個別の記録は随時アップします
ヒヨドリについて学ぶ
野鳥については知識がなく、ヒヨドリとムクドリの違いすらわからないレベルだったけど、今回のことで生態を調べ、直に触れ、心を交わす日々を過ごし、とにかく思ったのは、
ヒヨドリめちゃ賢い。(そしてかわいい)
動体視力、飛翔能力、学習能力、空間把握能力、ぜんぶ凄い。人間の顔と声の識別も意思疎通もできるし、美食家。そして完全なる陽キャ。オカメのはるちゃんがアホの子に見えるほど、スペックが高いことにとても驚いた。
※オカメもオーストラリアでは立派に野生化しておりますが…うちのはるちゃんは自分のことを人間と思ってるフシがある…
保護中にやったこと
・ひとり餌になるまでサポートし野生に返す。最終目標は明確に設定した
・換気、掃除、消毒、手洗い、着替えなど徹底(野鳥だし、何より先住鳥のオカメがいるしね…!)
・夜明け前には鳴き出すので、毎朝5時起きでお世話
・保護初日から2日目まではプラケースに入れて、玄関で過ごさせた
・3日目以降は、普段使っていない6畳の和室を丸ごと、ヒヨドリ専用部屋にした(オカメとも完全隔離できる間取り)
・朝夜2回は体重測定
・エアコンはつけず送風機を回し、出来る限り自然と同じ環境にした。直射日光は避け、照明はつけず極力自然の光を取り込んだ
・高い場所を好むので和室の長押にロープを張った。ロングタイプのケージも設置
・和室が畑に面しているので、日中は外を眺めて過ごさせた(網戸から風や音を取り込んだ)
・水浴び、日光浴はマメにした。日光浴の際、我が家の外装や位置を覚えさせた
・和室以外の部屋には絶対に侵入させないよう、廊下側の入口にプラスチックネットを張り、畑側のサッシだけが出入り可な場所と学習させた
などなど。
食べさせたもの
ミルワーム、コオロギ、ゆでたまご、小松菜、バナナ、トマト、キウイ、ぶどう、オレンジ、スイカ、メロン、パイン、梨、りんご、カルビタバード(原液、希釈水)
オカメとは全く食性が違うので、調べながら手探りでのお世話…。間違っているもの、足りないものも当然あると思われます。
さし餌時代はミルワームを中心に、栄養が偏らないよう色々与えました。トマトとキウイはいまだに大好き。大玉トマト、グリーンキウイしか食べない謎のこだわり。
ほぼひとり餌になった時点で、ゆでたまごは卒業させました。良質なタンパク源として補助食にしてたのですが、毎朝ゆでたまごを茹でるのが地味にキツかった…w(手間と時間がかかる)
いざリリース!しかし!
保護31日目。晴天の早朝、腹いっぱい食べさせてから、庭先にケージを出してリリース(放鳥)。軽くパニックになりながらも、飛び去って行きました。天高く…!(ミギとダリ風)
…が、1時間後に舞い戻りました\(^o^)/
今にして思えば、よく帰って来れたなぁと思います。帰巣本能が働いたのでしょうか。家の位置や構造をちゃんと理解してて、私達を頼ってくれたのは正直うれしかった。
もちろんこの時点でピシャリと閉め出すことも可能だったけど、無理強いはせず、さらに1ヶ月かけて徐々に外の世界にいる時間を増やしていく作戦にシフト。情が移り甘くなっていたのは否めない。まだ雛換羽前だし、せめて食いっぱぐれないよう最低限のサポートだけして、あとは自然に独り立ちするのを待ちました。
リリース後しばらくは、日中は外で過ごし日没前に和室に舞い戻って就寝。呼べば飛んで戻るヒヨドリ。鷹匠気分を満喫しました…。
2週間を過ぎた頃から、外で寝るようになりました。不思議なもので徐々に距離感が変化していきました。今までは私達と和室が世界のすべてだったが、リリース後は一気に広がったのだから、そりゃ外の方が楽しいに決まってる。
今現在も庭先に現れるけれど、頻度は1日2〜3回。滞在時間は1〜2分。時間の概念バッチリなので、私達が在宅してる時間に合わせて顔を出しに来てくれます。最近では他のヒヨドリ達と合流し、鳥としての社会性も身についてきた様子。こればかりは私達には教えてあげられないので、周りの野鳥達とうまく共生して、強く生きてほしいと願うばかりです。本格的に換羽して大人の見た目に変わる頃にはスイッチが切り替わり、私達の観測範囲から姿を消す日もそう遠くはなさそうです(寂しい)。
日本にはどこにでも居るありふれた野鳥だけど、私達にとって特別な存在になったヒヨドリ。その声を聞くたびに、この夏の出来事を思い出すんだろうなぁ。
……こんな感じでざっと駆け足でまとめましたが、61日間の日々の記録は個別にアップしていきます。